築40年以上の住宅で使われていることが多い「セメント瓦」。現在では新築住宅で使われることがなくなり、リフォームや点検時に初めてその存在を意識する方も多いのではないでしょうか。
今回は、築49年の住宅で屋根調査を行った事例をもとに、セメント瓦の基本的な特徴や製造中止の背景についてご紹介します。
セメント瓦とは、その名の通り「セメント」と「川砂」を主原料に成型・塗装された屋根材です。
昭和40~60年代(1970〜1990年頃)に多くの住宅で使用され、陶器瓦(粘土瓦)よりも価格が安く、かつ加工が容易だったことから普及が進みました。
表面は塗装で防水性や見た目の美しさを保持していますが、陶器瓦のような「焼きもの」とは異なり、塗装が劣化すると吸水しやすくなるという性質があります。
かつてセメント瓦が多くの住宅で採用された理由には、次のようなメリットがあります。
コストパフォーマンスが高い
陶器瓦よりも安価で手に入りやすく、施工もしやすい
施工がしやすい
形状が均一で加工しやすいため、複雑な屋根にも対応可能
塗装でカラーバリエーションが自由
塗装により色の選択肢が豊富だったため、意匠性の高い屋根が可能
こうした利点により、特に戸建て住宅の屋根材として一時代を築きました。
現在では、セメント瓦の新規製造はほぼ行われておらず、新築では使用されていません。その背景にはいくつかの理由があります。
セメント瓦は、陶器瓦と違って吸水性が高く、塗装が剥げると水を吸ってしまう性質があります。これにより内部からの劣化や凍害によるひび割れが発生しやすくなります。
表面塗装の劣化により数年ごとに再塗装が必要となり、維持管理にコストがかかる点もデメリットです。
軽量で高耐久なスレート屋根(カラーベスト)や、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材が主流となったことで、セメント瓦の需要が減少。結果として製造が終了しました。
製造中止により、破損時の交換用瓦が手に入らないというリスクもあります。そのため、部分補修が難しく、葺き替えやカバー工法を検討せざるを得ないケースが増えています。
セメント瓦は、かつてはコストパフォーマンスに優れた屋根材として普及しましたが、現在では製造中止となっており、今後の修理やメンテナンスが難しくなりつつあります。
劣化が進むと、雨漏りだけでなく、下地の腐食や耐震性の低下にもつながるため、次のような症状がある方はお早めに点検をご依頼ください。
瓦がズレている、ひび割れている
雨漏りがある
屋根の塗装が剥げてきている
築30年以上で屋根を触ったことがない
街の屋根やさん福岡西店では、セメント瓦の点検・補修・葺き替えに豊富な実績があります。
ご相談・現地調査・お見積りはすべて無料です。
福岡市早良区をはじめ、福岡エリアでセメント瓦屋根の点検をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。
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