🔹倉庫より雨漏りのご相談｜倉庫屋根に発生したサビとルーフファンの劣化

法人様より、「雨が降るたびに倉庫内で雨漏りが発生して困っている」とのご連絡をいただき、当社にて現地調査を実施しました。

雨漏りの原因として疑われたのは、屋根上に設置されている「ルーフファン」まわり。熱気排出のために設置されることの多いルーフファンは、金属製であることから、経年劣化や雨風による腐食が起こりやすく、雨漏りの発生源になりやすい設備のひとつです。

倉庫屋根、現地調査で判明した主な問題点

① ルーフファン本体の著しいサビ

調査時点で、ルーフファン全体に赤茶色のサビが広がっており、特に溶接部周辺は「孔食（こうしょく）」と呼ばれる穴あきが複数確認されました。
孔食は一度進行すると内部から腐食が広がり、構造物の強度を著しく低下させます。

ルーフファンは、工場や倉庫にこもった熱気や湿気、排気ガスなどを屋外に排出するための換気装置です。
特に製造業の現場では、温度管理や空気の入れ替えが製品品質や従業員の安全にも直結するため、非常に重要な役割を担っています。

しかし、その構造上、常に屋根の上で風雨にさらされるため、サビや腐食の影響を強く受けやすい部位でもあります。
とくに溶接部やビス周辺は熱によって金属の耐食性が低下しているため、他の部位よりもサビが進行しやすく、雨水や湿気が入り込むことで腐食が内部から広がってしまいます。

② ビスの腐食・脱落による隙間発生

ルーフファンの基礎となる板金部では、固定用のビス（ねじ）が経年劣化により著しく腐食していました。
現場確認の結果、一部のビスは完全に脱落し、周囲の金属にもサビが広がっていたことから、固定力がほとんど失われた状態でした。

このような状況では、台風や強風の際にルーフファン全体が振動したり、微細なズレが生じたりすることで、板金と屋根材のあいだに隙間ができやすくなります。
その結果、雨水がその隙間から内部に侵入し、屋根下地や室内への漏水へとつながります。

③ 板金の広範囲な腐食と「もらいサビ」

調査時、ルーフファンが取り付けられている下部の板金部には、複数箇所にわたり雨水が滞留している痕跡が見られました。
この部分は構造上、わずかな凹凸や勾配の不備によって排水性が低下しやすく、雨水が流れきらずに留まりやすいポイントです。

とくにビスの穴や接合部には、水分が溜まりやすく乾きにくいため、錆が集中的に進行する傾向があります。
今回の現場でも、下部板金の広範囲に赤茶色の腐食が進んでおり、一部では表面塗膜が完全に失われて、母材の腐食が始まっている状態でした。

さらに、目を引いたのは「もらいサビ」の症状です。

現地調査を終えて、放置すると起こるリスク

✅雨漏りの拡大による設備・商品被害
✅断熱・換気性能の低下
✅構造物腐食による重大修繕コスト
✅サビの飛散による屋根全体の劣化促進

特に、ルーフファンの機能が低下すると屋内に熱気がこもり、倉庫内の作業環境や保管商品の品質にも影響を及ぼす可能性があります。

倉庫屋根の雨漏り解決方法｜ご提案内容

以上の現地調査結果をふまえ、今回は以下のような対策を提案しました。

• ルーフファン周辺の板金交換

• 穴あき箇所の補修（防水処理）

• ルーフファン本体の塗装・防錆処理

• ビス交換・固定の見直し

現状では雨漏りが一部にとどまっているものの、放置すれば被害の拡大は避けられません。定期的な点検と早期の処置が建物資産を守るための最良の方法です。

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