太宰府市にある営業所併設の法人倉庫にて、「屋根からの断続的な雨漏りが発生している」とのご相談をいただきました。
前回の現地調査により、配管の腐食・コンクリートのひび割れ・塗膜の劣化・排水経路の機能低下といった複数の劣化箇所が判明したため、今回はそれらを踏まえた全面的な防水工事を実施いたしました。

この倉庫の屋根は「陸屋根（ろくやね）」と呼ばれる構造で、工場や物流倉庫に多く採用されています。
しかし、屋根上は普段目視が難しく、雨漏りが発生してから劣化に気づくケースも少なくありません。

現地調査で確認された陸屋根の問題点

① 配管パイプの広範な腐食と塗膜の剥離
 屋上に設置された排水・空調用の配管において、表面の塗装がほぼ失われ、継手やジョイント部から赤錆が露出している状態でした。
 このような状態は、雨水との接触によって進行しやすく、放置すれば腐食による破損・漏水の原因になります。

② 板金の穴あき
排水まわりでは、既存の板金に穴あきが確認されました。
また、周囲の防水層やコンクリート面にもひび割れ・変色・塗膜の剥がれといった複数の劣化症状が見られました。
このような症状が放置されると、排水がうまくいかず屋根上に水が溜まり、防水層の寿命を一気に縮める原因となります。

③ コンクリート防水層のひび割れ・変色
 屋根面のコンクリートには、微細なクラック（ひび割れ）や“もらい錆”による変色が多数確認されました。
 防水層表面の劣化によって、屋内への雨水浸入リスクが高まっていることがわかります。

④ 排水経路の詰まり・傾斜不良
 排水口まわりでは雨水の流れが滞っている跡が見られ、排水能力の低下が懸念される状況でした。
 これは陸屋根特有の構造的リスクであり、定期清掃やメンテナンスがされていない場合に起こりやすい現象です。

陸屋根とは？構造の特徴と雨漏りリスク

陸屋根は、外観上は平らに見えますが、実際は排水口に向かってわずかな傾斜が設けられた構造です。
屋根面に排管・空調設備・太陽光パネルなどが設置しやすい利点がありますが、一方で排水性が低く、防水層への依存度が高いため、劣化すると雨漏りしやすい構造でもあります。

この構造上、防水層とその表面を保護するトップコートが劣化したまま放置されると、雨水が内部へ浸入し、建物資産の価値を大きく損なうリスクがあるのです。

防水工事の様子｜配管と防水層の補修

▶ 錆びた配管の補修と再塗装

工事前は赤錆が全体に広がっていた屋上配管も、錆をケレン除去し、防錆処理と再塗装を実施。
特に継手部の腐食が深刻でしたが、補強後は見違えるほどに綺麗になり、見た目・機能ともに改善されました。

▶ コンクリートの防水層再構築

雨染み・ひび割れ・変色が見られた屋根面は、まず劣化部を補修・研磨し、防水材を再施工。
さらにその上からトップコートを重ね塗りし、防水層を強化して雨水の侵入を完全に遮断できる状態へと回復させました。

今回採用したのは、高耐候性のウレタン防水材＋トップコート仕上げです。

💡 防水層＋トップコートの役割

層	役割
防水層	雨水を物理的に遮断（ウレタン・FRP・シートなど）
トップコート	紫外線や熱・雨から防水層を保護する仕上げ層

工事完了｜雨漏りを防ぎ、美観も回復

今回の施工によって、配管の劣化や防水層の破損は完全に補修され、雨漏りの再発リスクを解消しました。
また、内装に雨染みが残っていた事務所天井も補修を実施し、見た目も機能も大幅に改善されています。

工場・倉庫は企業の資産｜雨漏りは早期対処が鍵です

工場や倉庫は、製品を守り、業務を支える企業資産です。
雨漏りを放置すれば、生産ライン停止・商品被害・建物価値の低下を引き起こす恐れがあります。

街の屋根やさん福岡西店では、法人施設の屋根・外壁の調査・工事にも豊富な実績があります。
営業を止めずに施工できる柔軟な体制と、調査報告書・稟議資料の提出にも対応しております。

屋根の不具合やご心配がございましたら、まずは無料点検をご依頼ください。