雨漏り調査のきっかけ

みなさま、こんにちは！
街の屋根やさん福岡西店　店長の下田です！

本日は、糟屋郡粕屋町で実施した屋根の雨漏り調査をご報告いたします！

「雨漏りしているので修理を頼みたい。」とご相談いただき、さっそく現場へ調査にうかがいました。
お客様宅は平屋で、屋根材には現在製造中止となっている「モニエル瓦」が使用されていました。

全体的に苔とカビの汚れがひどく、屋根の色が変わって見えるほど劣化していました。
また軒天は大きく破損し、外壁シーリングはひび割れや剥がレモ著しく、すぐに修理が必要な状態でした。
屋根内部の防水シートも劣化していたため、下地からすべて新しく施工し直す葺き替え工事をご提案しました。

雨漏り調査の結果

劣化の著しいモニエル瓦

「モニエル瓦」とは、セメントと砂を主成分とした乾式コンクリート瓦で、1970〜80年代に国内で広く使われていた屋根材です。
ヨーロッパ発祥の瓦なので、洋風な住宅に合う、湾曲したなだらかなデザインが特徴です。

表面には「着色スラリー層」とクリア塗装が施されていますが、定期的な塗装やスラリー層の除去、縁切り作業などメンテナンスが欠かせず、劣化しやすいことから現在は製造されていません。

「着色スラリー層」とは、セメントを製造する際に、原料の石灰や粘土に水を加えて粉砕した泥状の塗装を指します。
紫外線や風雨にさらされることで徐々に劣化し、色褪せやツヤの低下を引き起こすだけでなく、塗装時には既存のスラリー層を十分に除去しなければなりません。

写真の通り、ひどく劣化しているモニエル瓦は、雨漏りも発生しているためすぐに修理が必要です。
内部の防水シートも傷んでいるため、下地から直す葺き替え工事が望ましいと考えられます。

関連記事：セメント瓦とモニエル瓦、塗り替えを必要とする瓦の最適なメンテナンス方法

破損した軒天・剥がれたシーリング

モニエル瓦だけでなく、軒天や外壁のシーリングも破損や劣化が激しく、一刻も早く葺き替え工事による修理が必要です。

なお、今回のお宅に使用されていたモニエル瓦は、現在製造されていないため、部分的な修理や交換が難しく、同じものを使用することができません。
長期的なコスト削減と屋根の安全性の確保を考慮した結果、葺き替えが最適な選択であると判断いたしました。

関連記事：屋根材に廃盤・生産終了品などが使われている屋根のメンテナンスはどうすべき?

次回は、モニエル瓦を使った屋根の葺き替え工事の様子をお届けします。
生産終了・製造中止となっている屋根の修理でお悩みの方は、まず街の屋根やさん福岡西店にご相談ください！